ATS株式会社

大型クレーンのメンテナンス会社。
安全作業を実現する新商品開発へ。

設立 平成7年(1995)
代表者 岩田 芳明
所在地 太田市新田反町町173-1
資本金 1,000万円
従業員数 6名
TEL 0276-56-3861
FAX 0276-56-3863
【経営革新計画のテーマ】

クレーンメンテナンスの安全作業に寄与する新商品の開発・販売

期間:平成24年10月~29年9月

メンテナンスのほか、新たなサービスの提供へ。

 ATS株式会社は、平成7年、クラブ式天井クレーンやホイスト式天井クレーンのメンテナンス会社「エーティエス」として創業。平成18年、荒島工業株式会社(群馬県)との経営統合による業務拡大を図り、平成20年にATS株式会社に社名変更した。
 定格荷重3トン以上のクレーンは、2年に1回の検査と毎年の点検が法令で義務付けられている。同社は、県内約250台(3トン以上)のクレーンメンテナンスを手がけている。しかし、製造業の海外移転や工場の統廃合で、大型の天井走行クレーンの絶対数が減っている状況から、メンテナンス業者間では、価格競争が激しくなっている。そこで、同社は、メンテナンスの改革と新たなサービスの提供を図ろうと、平成24年10月から、経営革新に取り組んでいる。

商品開発に力を入れている岩田社長
商品開発に力を入れている岩田社長
高所作業を、より安全に、より効率的に。

 同社は、18年間にわたって、大型クレーンのメンテナンスを行ってきた実績から培った「安全を確保し、作業が早くできる技術」を活かし、3種のメンテナンス補助装置や器具を開発。現在、その製品化に取り組んでいる。
 一つは、高所作業を安全かつ迅速に行うことのできる補助具「安全ワイヤーロープ」だ。労働安全基準法では、床から2メートル以上高いところでの作業では、安全帯を着用し、安全帯のフックをワイヤーなどの堅牢なものにかけなければならないとされている。作業場所の構造上、ワイヤーが途切れる場所においては、一旦、ダブルフック(安全用第2フック)で安全を確保し、作業を行う必要がある。しかし、フックを掛けかえる煩わしさがあり、作業の効率も悪くなることから、作業者のストレスになっているという。
 この課題を解決させたのが、「安全ワイヤーロープ」だ。建物全体に1本のワイヤーを張り、各柱に当該製品専用の大口径フックを取り付け、ワイヤーを吊るというもので、各柱に到着した作業者は、ワイヤーを支える大口径フックを開くことで、安全帯のフックをワイヤーから外すことなく、通過することができるというものだ。すでに、安全ワイヤーロープは、大手自動車部品メーカーの天井走行クレーン設置工場に導入されている。今後は、意匠登録を進め、商品化を目指していくという。

安全ワイヤーロープ試作品のシステムブロック
(写真上)安全ワイヤーロープ
(写真下)試作品のシステムブロック
契約台数、200から300台へ。

 また、同社では、走行車輪などの重量物のメンテナンス作業を迅速に行うことのできる「システムブロック」や、クレーンの巻き上げ装置に装備されているブレーキのメンテナンスを安全に行うための「ブレーキ開放装置」の製品化も進めている。
 「これらは、クレーン点検という作業の中で見つけた問題点を網羅した開発製品。だから、自信がある」と力を込めるのは、岩田芳明社長だ。同社は今後、3種のメンテナンス補助装置や器具の製品化を進めていく一方、契約台数を現在の250台から300台を目標に増やしていきたいとしている。

工場内には、工作機械が並ぶ 工場内には、工作機械が並ぶ
工場内には、工作機械が並ぶ
取材こぼれ話

同社の工場は、整理整頓されている。道具箱には番号が振られ、中を見ると、油汚れなど、みじんもない、きれいな工具がきちんと収納されている。以前、忘れ物の多い従業員がいたそうで、「忘れ物が多い従業員がだめなのではなく、上に立つ上司の指導能力が低いと思った」という岩田社長は、使ったものは、元に戻すということを徹底したという。その精神がどんどん広まり、今では、車輪交換には、何番と何番の工具があれば、現場で修理ができるようになっているという。

取材記者の目

工場並みの工作機械がそろっていることに驚きました。岩田社長はもちろん、その工作機械を扱える従業員もいるそうです。同社が製品化を目指している器具も、工場内にある工作機械で何度も試作されていったというお話が印象的でした。

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