有限会社ハルナ工芸

塗装の可能性を追求する、
塗装のプロ集団。

設立 平成2年(1990)4月
代表者 植杉 隆士
所在地 北群馬郡榛東村広馬場3585-15
資本金 2,000万円
従業員数 10名
TEL 0279-54-7754
FAX 0279-54-7924
HP http://www.harunakougei.com
【経営革新計画のテーマ】

水性塗料使用による「安心安全で健康的な、環境負荷の少ない」木製家具の
塗装及び製造販売

期間:平成22年3月~25年2月

水処理からスタートして、生ゴミのリサイクルへ

 暮らしを彩る家具や建具などをハイクオリティーな塗装で仕上げる、有限会社ハルナ工芸。同社は平成22年、水性塗料を使った塗装と木製家具の製造をテーマに掲げた経営革新に取り組んだ。
 同社が水性塗料に注目したのは、社員の健康を考えてのことだという。塗装業界では、従来から、「油性塗料」が使用されている。油性塗料には、有機溶剤(シンナー系)が使われており、揮発性有機化合物も含まれている。これらは、健康に害を及ぼす危険性があり、また、環境に負荷がかかるという面からも問題視されている。
 水性塗料は、総揮発性有機化合物が含まれている割合が1%未満と低い。しかも、乾燥すると、その数値はほぼゼロになり、体に優しい塗料といえる。
 しかし、水性塗料は、水と木の相性が悪く、きれいに塗るには技術を要すること、乾燥に時間がかかることなどから、敬遠されてきた。「うちの職人は、水性塗料でも、きれいに仕上げる技術を持っている」と話す植杉隆士社長は、水性塗料を使ったサンプルを作成。ドアメーカーなどにサンプルを見てもらうなどして、水性塗料の使用を提案している。

塗装の可能性を追求する植杉社長 塗装のプロ集団
(写真上)塗装の可能性を追求する植杉社長
(写真下)塗装のプロ集団
人体の構造を機械で再現。画期的な製品が各方面で注目を浴びる

 同社は、昭和51年に創業。当時は、建具メーカーの下請けの仕事をしていた。同社は一度、下請けであるが故に陥ってしまった、連鎖倒産という苦い経験をしている。以来、植杉社長は「機械化はしない」「大手の既製品はしない」「下請けの仕事はしない」と決めたという。
 同社が大事にしているのは、職人の技だ。工場内には、もちろん、塗装機械はひとつもない。スプレーを持った職人たちが、手すり、ドアといった建材を一つ一つ丁寧に仕上げている。「機械化すると、決められたものしかできなくなる。機械化しなければ、何でもできる」と話す植杉社長は、特注品の注文塗装に徹している。
 現在、建具や家具を作る職人が減ってきているという。昔は建具や家具はオーダーがあたり前だったが、現在は、既製品が多く、海外製品も増加。それにより、塗装業も減少傾向にあるという。そういう時代の中にあっても、「木製品を完成させるには、塗装屋がいないと完成しない」という植杉社長。塗装をすることで、さまざまに変化する木の風合いや質感を追求し、家具や建材の職人とともに共存していきたいとしている。

塗装のプロたちが一つ一つ丁寧に仕上げる塗装のプロたちが一つ一つ丁寧に仕上げる 塗装のプロたちが一つ一つ丁寧に仕上げる
塗装のプロたちが一つ一つ丁寧に仕上げる
地球環境にやさしい循環型の農法の普及を目指す

 同社の強みは、どんな要望にでも応えられる、塗装のプロ集団であること。テーブル、イス、クローゼットなどの家具から、ドア、柱、階段など、小さなものから大きなものまで対応する。他社がねを上げた難しい色合いや素材感にも、プロとして向き合っている。
 今後は、ドアメーカーなどと組み、商品開発していきたいとしている。水性塗料を提案していくのはもちろん、同じ色でも、素材感の違いを表現できる塗装の魅力を伝えていけたらとしている。

注文に応じて塗装。仕上がりもさまざま 水性塗料を使った塗装サンプル
(写真上)注文に応じて塗装。仕上がりもさまざま
(写真下)水性塗料を使った塗装サンプル
取材こぼれ話

塗装屋には、エンドユーザーと会う機会がないという。オーダー通りの塗装をし、家具屋さんに渡して終わり。住宅の建築部材の塗装をしても完成した家を見る機会もない。「自分たちの塗装がいいのか、悪いのか、そのリアクションは返ってこない」と話す植杉社長も、塗装の世界に入って20年になるが、つい最近までエンドユーザーに会うことはなかったという。オーダー家具のお店を出店したとき、初めて使う人の反応を見ることができたとのこと。その体験は、仕事に活かされているそうだ。

取材記者の目

同社に持ち込まれた木工屋で修理されたちゃぶ台。塗装により、傷んでいたちゃぶ台は再び輝きを取り戻していました。従業員さんの手で一つ一つ塗装されていく作業風景を見て、職人の技に感動しました。

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