蔵前産業株式会社

金属加工のノウハウを紙加工に活かした、
独自の製品づくり。

設立 昭和44年(1969)1月
代表者 松下 信一
所在地 前橋市上大島町176-44
資本金 4,800万円
従業員数 25名
TEL 027-261-3552
FAX 027-263-0414
HP http://www.kuramae.co.jp
【経営革新計画のテーマ】

3次元加工特化・紙事業拡充・新システム導入

期間:平成16年1月~18年12月

鉄から紙への取り組み

 金属加工メーカーとして、金型加工や精密部品加工などを行ってきた蔵前産業株式会社。しかし、バブル崩壊の前後から、家電製品のプレス金型などの海外流出が加速し、国内の金型産業は空洞化に直面した。
 金型の仕事がなくなっていくなかで、新たに取り組んだのが紙容器の製造だ。紙容器メーカーから依頼されたことをきっかけに、当時、国内にはまだなかった紙金型を製作した。しかし、紙金型は一度作ってしまうと、相手が紙なので壊れることがない。増産にならないかぎり商売としては成り立たない。ならば紙製品そのものを作ろうと、経営革新計画を策定し、本格的に取り組むことになった。

本社外観 深さ70㎜の形状を可能にしたのは自社だけという松下社長
(写真上)本社外観
(写真下)深さ70ミリの形状を可能にしたのは自社だけという松下社長
世界一の深絞りを実現

 紙は金属と違って伸びないため、1回のプレスで深い絞り加工することは難しい。同社では、長年にわたる金型技術や成形技術を確立させて、当時50ミリの深さの絞り加工が限界とされる中、70ミリまでの深絞り加工を可能にした。平成21年度には国のものづくり補助金を使って、国内唯一の紙容器専用の成型機を自社開発した。
 紙容器というとキャンプなどで使う紙皿のイメージがあるが、同社で作る紙容器の用途は多様だ。形を変えたり、強度を変えたり、耐熱性を与えたりすることで、パン生地を入れてオーブンで繰り返し焼くこともできる。ステンレスの盆代わりに医療現場でも使われる。
 市内のレストランで販売しているお弁当容器にも使われている。前橋のキャラクター「ころとん」が型押しされた容器は、器ごとオーブンで焼かれ、買った後はレンジで温めることができる。食べ終わった後のゴミも分別がいらない。
 また、同社オリジナルの繭の形をした繭玉容器は、平成24年度のグッドデザインぐんまに選ばれた。現在、県内のコーヒー店でお菓子の容器として販売されている。

第2工場外観 完全クリーン化された第2工場内部 さまざまなデザインがある繭玉容器 さまざまなデザインがある繭玉容器 さまざまなデザインがある繭玉容器
(写真上)成形工場外観
(写真上から2枚目)完全クリーン化された成形工場内部
(写真上から3・4枚目・下)さまざまなデザインがある繭玉容器
群馬ブランドへ育てたい

 現在取り組んでいるのは、群馬の布を使った製品だ。昔から織物が盛んだった群馬には、地域ごとにさまざまな織物が継承されている。成形された容器に後から布を貼るとしわが出てしまうが、紙に布を貼っておいたものをプレスするとしわのないきれいな製品となる。いままでありそうでなかった容器だ。平成25年2月に国の地域資源活用支援事業計画の認定を受け、その事業化に向けて走り出している。
 これからの目標は、布を使った製品をはじめとしたオリジナル商品を増やしていくこと。デザイナーと一緒に商品開発を続ける一方、外部の意見を参考にする。特に女性目線や若い人の意見は大事だという。
 さまざまな展示会への出展などを通し、同社だけにとどまらない「群馬ブランド」として育てていければと考えている。

オリジナル商品を増やしたいという大原事業部長

オリジナル商品を増やしたいという大原事業部長

取材こぼれ話

紙容器を加工している成形工場は、食品の一次容器生産をしているため、完全クリーン化されている。外観はプレハブの建物だが、中は二重構造になっている。紙容器の専用プレス機がある部屋の中に入るには、まず白衣を着て手洗いし、さらにエアーシャワーを20秒浴びる。中に入ってからも指先洗いをしてからでないと機械に触れることはできない。じかに食品を入れる容器を作るということで、衛生面でも徹底している。

取材記者の目

お花や水玉のプリントでデザインされた「繭玉容器」はとても可愛くて、お菓子や小物を入れてテーブルに置いてもいいし、プレゼント用に使ってもいいなと思いました。

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