前橋南部運送株式会社

運行ダイヤのある路線バス方式で、物流のムダを解消。

設立 昭和45年(1970)5月
代表者 青木 清次
所在地 伊勢崎市境下渕名2968-1
資本金 1,300万円
従業員数 95名
TEL 0270-76-7530
FAX 0270-76-7539
HP http://www.net-you.com/maenan753/
【経営革新計画のテーマ】

「2車3人制運行システム」の導入と24時間対応倉庫新設による輸送効率の向上

期間:平成20年9月~24年8月

稼働率アップ。新システムの導入。

 創業以来、物流事業を営む前橋南部運送株式会社では頭を悩ませる業界特有の問題があった。輸送トラックが一旦荷物を積んで出発すると、到着した先で何時間と待たされ、その間、運転手も車両も稼動しない、非常に効率の悪い事態が頻発していたのだ。さらに、顧客の要望によって行き先が変更されることも珍しいケースではなかったという。そのような顧客ありきの状況を打破すべく、同社が新たに考案したのが、「2車3人制運行システムの導入」と「24時間対応倉庫の新設」だ。「2車3人制」とは、簡単にいえば2台の車両を、3人がシフトしながら受け持つシステムだ。このシステムの導入により、24時間ロスなく車両を稼動させることが可能になった。
 あわせて必要となったのが、24時間対応できる倉庫だ。この設置により、夜間を含めた定期的な貨物の発着に対応することが可能となった。これらの取り組みの結果、同社は大幅なコストダウンと売上アップを実現した。

太陽光パネルが完備された倉庫 次々と出発する大型トラック 倉庫外観(昼・夜) 倉庫外観(昼・夜)

(写真上)太陽光パネルが完備された倉庫
(写真中・上)次々と出発する大型トラック
(写真中・下)(写真下)倉庫外観(昼・夜)

会社が労働時間をコントロールする。

 「やればやっただけ稼げるというような、ドライバー個人ががむしゃらに仕事をする時代ではなくなった」と青木清次社長は話す。同社が「2車3人制運行システム」を導入したのは平成22年、景気低迷による需要の減少や新規参入業者の増加による競争の激化、荷主のコストダウン要求、燃料価格の高騰など、様々な要因により新システムの導入が急務となったためであるが、そこには「社員の労働時間をしっかりとコントロールしなければならない」という思いもあった。法律で決められた労働時間内で働くことは、平成24年に起きた関越自動車道高速バス居眠り運転事故のような「あってはならない大事故」を防ぐことにもつながっている。
 「お客様に、弊社のシステムにあわせてもらっているような節もありますが、コンプライアンス(法令遵守)は確実に実践しなくてはなりません」と青木社長は力を込める。

継続して働ける環境を整えたいと語る青木社長

継続して働ける環境を整えたいと語る青木社長

人材育成と雇用継続が、今後の発展のカギ。

 現在、ドライバーの高齢化が進み、特に中型免許の制度が整ってからは、大型免許をもつドライバーが減少し、その多くは40~50代以上だという。そのため、大型トレーラー等を運転できる若手ドライバーの育成が目下の課題だ。
 青木社長は、「昔も今も長距離ドライバーは身体が資本。コンディションをベストに保つことが、良い仕事をする上で大事」と強調する。同社では定期的に交通安全のための講習会を開催しているが、今後は食事に関する研修会なども検討していく予定だ。「経営者として会社が伸びるためというより、従業員が居心地良い会社、おもしろいと思ってくれるような会社を目指したい」。
 また、より一貫性のある事業を展開することで様々な仕事が付随的に創出されるように舵を取ることも、今後の発展への布石となる。
 「70歳でも80歳でも、働きたいという意欲のある社員に継続して働けるような環境を整えていけたら」と青木社長は近い未来を見据えている。

倉庫内部 倉庫内部

倉庫内部

取材こぼれ話

「安全運転第一」の運送業界だが、休み明けの出勤日や、夏休み等の大型連休直後に事故が起こりやすいというデータがあるという。物流の仕事は機械がするのではなく、生身の人間がするからこそ、ちょっとした「緩み」が起こらないよう常に対策を講じていかなければならない。また、個々のドライバーが集中力を保つ上で大切なのが、荷物を「単なる物」として捉えるのではなく、その価値をしっかりと認識することだと、この取材を通して学んだ。

取材記者の目

24時間対応の倉庫は太陽光パネル3,016枚を完備し、6,000Vの高圧電力を供給する巨大ソーラー施設でもあります。東日本大震災の約半年前の平成22年9月に完成しており、経営者の「先見の明」が光ると感じました。

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