株式会社スタイルブレッド

冷凍パンに焼きたてのおいしさを。
天然酵母による低温長時間熟成製法で、ベーカリーの可能性を広げる。

設立 平成18年(2006)4月
代表者 田中 知
所在地 桐生市広沢町1-2525-2
資本金 3,000万円
従業員数 190名
TEL 0277-47-6200
FAX 0277-32-5617
HP http://www.stylebread.com/
【経営革新計画のテーマ】

新製法導入による品質向上および卸売進出

期間:平成16年9月~19年8月

冷凍パンに焼きたての味を実現。

 株式会社スタイルブレッドの前身は大正時代創業の田中製パン所。“町のパン屋さん”として地元に愛されてきた。しかし、それまでのやり方に限界を感じた4代目の田中知社長が、屋号とともに冷凍パンの販売で、大きくビジネススタイルを変えた。
 米国に1年半ほど修業に行ったとき、冷凍したパンが全米のレストランに配送されるのを見たことがきっかけだ。高品質を保てば日本でも実現できると直感し、帰国後、ホテルやレストランで出されるプティパンに応用できないかと研究を重ねた。
 高品質を実現したのは、天然酵母による伝統的な「低温長時間熟成製法」だ。イーストを使う一般的なベーカリーが2~3時間の熟成で済ますところを、丸1日かけて熟成させる。長時間寝かせることで生地に深みが加わり、さらに焼きたてを瞬間冷凍することで焼きたてのおいしさが保てた。コストを抑えるためにも量産体制が必要と、経営革新計画を策定した。

田中知社長 管理された工場内でのパン製造
(写真上)米国で冷凍パンのヒントを得たと語る田中社長
(写真下)管理された工場内でのパン製造
プロセスの標準化で大量生産へ。

 ネックだったのは口の肥えたシェフたちの「冷凍のパンはおいしくない」という職人としてのこだわりだった。しかし発売して3~4年、同社の冷凍パンはおいしいというのが、徐々に口コミで広がっていった。現在は、都内の一流ホテルや高級レストラン、ビジネスクラスの機内食にも採用されている。さらに、大型レジャーランドの中のレストランの採用も決まっている。
 現在、22種類のパンを1日5万個生産している。2交代で、早朝から夜中の1時2時まで作り続ける。忙しい時期は24時間体制で臨んでいる。また4~5日先の注文を見越して、冷凍倉庫には常に数十万個の在庫があるが、すでにキャパを超えつつある。平成25年夏には新しい冷凍倉庫も完成し、今後は1日の生産を7万個まで増やしていきたいとのことだ。

次々と焼き上がるプティパン
(写真)次々と焼き上がるプティパン
桐生酵母で“パンのふるさと”づくり

 これからの目標は、桐生を“パンのふるさと”にすることだ。初めて日本にパンが入ってきたのは長崎の出島といわれているが、今のところ国内で“パンのふるさと”といっているところはない。「最初に言ったもの勝ちですから」と荒川寿シニアマネージャーは笑っていう。桐生には、おいしい空気、桐生川の清流、天然酵母「桐生酵母」等、“パンのふるさと”らしさは豊富にある。

 また、スタイルブレッドで使っている小麦粉は、製粉会社でプライベートブランドの小麦粉として作られている。「桐生酵母とスタイルブレッドの粉を使ったパン」、それでブランド展開していきたいということだ。
 平成25年春には、桐生市内に直営のベーカリーを新装オープンした。高品質のパンを適正価格で提供するとともに、バターやジャムなどの食材や飲物、パンに合うメニューの紹介など、上質な「パンのある空間」を提供していきたいとのことだ。
 また、Webで個人のレストランやカフェ、家庭など向けの小口販売も行う。ベーカリーと同様、Webでも料理メニューやレシピ、おしゃれな食器や雑貨、音楽など、パンを通じて「上質な時間、心の贅沢」を届けていきたいと、発想は広がっていく。

「桐生をパンのふるさとに」と語る荒川シニアマネージャー 直営ベーカリー外観 包装されたパンが並ぶベーカリー、試食コーナーもある

(写真上)「桐生をパンのふるさとに」と語る荒川シニアマネージャー
(写真中)直営ベーカリー外観
(写真下)包装されたパンが並ぶベーカリー、試食コーナーもある

取材こぼれ話

企業は目に見える売り上げや業績だけでなく、支えているのは人材だという同社では、8月8日に「GREAT AUGUST」という社員の努力を褒めあう表彰制度を行っている。この1年間で自分たちの成長や工夫したことを、グループ毎にプレゼンする。プレゼンに向け一緒に取り組む中でコミュニケーション力が増し、一人ひとりのモチベーションが上がっていくという。自主的に製パン技能士2級にも挑戦し、多くのスタッフが合格しているそうだ。

取材記者の目

事務所での取材の後、ベーカリーに撮影に行きました。店内に並ぶパンはどれもおいしそう。仕事をちょっと忘れて、試食しながら買い物を楽しみました。

ページの先頭へ ホームへ